死角なし

ワンアンドオンリー(2.4倍 9着 返し馬で発汗目立ち…)

…毎年、荒れ狂う菊花賞。

だが、今年はさすがにワンアンドオンリーで堅いのではないだろうか。

理由は3つある。

まず1つ目が、ワンアンドオンリーの『京都3000mへの適正』

父は、距離が延びるほど成績が増すハーツクライ

馬体をみても、手脚、繋が長い

実際、同馬は距離を延ばすほど成績をアップさせている。

距離延長を苦にするはずもない。

また、パワータイプという感じの馬体ではなく、前走のような急坂コースよりも平坦の方がいいタイプ。

平坦+長距離の淀3000はワンアンドオンリーにとって絶好の舞台と言える。

2つ目の理由が、『前走のレース内容』

前走の神戸新聞杯は、着差こそ僅かだったが、(2着以下に)圧倒的な力差を見せつけるレースぶりだった。

あれだけ大外を回りながら、あの推進力。

4角手応えバツグンで、直線で早め先頭に立つと、外から並びかけたサウンズオブアースを差し返して完勝した。

↓バツグンの手応えで進出するワンアンドオンリー
kikkashou2014one1

↓直線で差し返す
kikkashou2014one2

………………

まさに横綱相撲だった。

このような強い競馬は、これまでのワンアンドオンリーでは見た事がなく、更なる進化を予感させる内容だった。

3つ目の理由が『成長力』

ワンアンドオンリーが一皮向けたのは、間違いなく4走前の弥生賞からだ。

それ以前にも、重賞勝ちなどはあった。

が、放牧を挟んだ4走前の弥生賞から、いろいろな面で馬が変わった。

その1つが調教だ。

それまでは全くと言っていいほど調教で動かなかった同馬が、4走前から速いタイムを連発するようになった。

(具体的には、以前は栗坂路で54〜55秒台が精一杯だったのが、50秒台前半をマークするまでになった)

それに伴って、実際のレースぶりもパワーアップ。

末脚に磨きがかかり、ついには橋口調教師に悲願のダービー制覇をプレゼントするまでになった。

ジャスタウェイにしろ、ウインバリアシオンにしろ、一度覚醒したハーツクライ産駒の勢いは、そう簡単には止まらない。

覚醒モードのワンアンドオンリーが、絶好のコース、絶好の距離で馬群に沈むということは考えにくい。

枠がもう少し内枠の方が良かったとか、思ったより馬体が増えていないとか、そんなことは些細な問題で、死角とは言えない。

正直なところ、私が興味があるのは、ワンアンドオンリーの勝ち負けではない。

『どれだけ圧勝するか』。

成長したワンアンドオンリーがどれだけ進化して、どこまで他馬を圧倒できるか、という1点に、私の興味は注がれているのである。

いや、こんな事を言うと、仮に敗れたときにこのブログが火の海と化すが…。

オルフェ事件

以前、私は天皇賞春で「オルフェーヴルは鉄板」と豪語したことがあった。

阪神大賞典のあの『ありえない逸走』を見て、オルフェーヴルの底知れない能力を感じたからだった。

そして、自信たっぷりに『オルフェ鉄板』と書いた。

それを信用した私のブログの読者が、オルフェの単勝にウン●万円をブチ込んだ。

「分かりました。ありったけの資金で勝負をかけます。買ったら飲みにいきましょう!おごります。」

みたいな事がコメント欄に書かれてあった。

その時、私はなにか得体の知れない嫌な予感を感じた。

結果は周知の通りだ。

単勝1.3倍に支持されたオルフェーヴルは、見る影もなく馬群に沈んだ。

4角で池添騎手の手が激しく動き、押しても引いても上がっていかない。

直線は申し訳程度…すら伸びない。

そして、後続を引き離して先頭に立ったビートブラックが、単勝159倍という超人気薄で逃げ切ってしまったのだ。

これまで、幾多のレースで圧倒的な強さを見せつけたオルフェーヴル。

しかし、あの時、印象に残ったのは、オルフェーヴルが初めて装着した『黒メンコ』の影から見えた同馬の覇気のない瞳だけだった。むなしい余韻を残して全ては終わった。

全身の力が抜けた。

あの(ブチ込んでしまった)読者の方は大丈夫だっただろうか…。

無理はしていなかっただろうか…。

と、心配になりながらも、なんの沙汰が無く月日は過ぎ去った。

そして、その方が、私のブログにコメントすることは二度と無くなった。

これは私のトラウマだ。

競馬に絶対はない。

だからこそ、たとえ絶対と思えるレースでも、自分を律して大勝負は避け、リスク分散を心がける必要がある。

勝ちたい、儲けたいという欲を制する必要がある。

これは、私の苦い実体験からきた貴重な教訓だ。

過去の失敗は変えることはできない。

しかし、過去の失敗を未来に活かすことはできる。

…話がそれたようだ。

とにかく、今回の菊花賞も堅いとは思うが、無理だけはしないで欲しい。

競馬に絶対はないということを忘れないで欲しい。